エンタテインメント事業
P.F.M(PREMIATA FORNERIA MARCONI)
PFMはイタリアン・ロック・シーンを代表するバンドであり、数少ないワールド・ワイドの成功を収めたイタリアン・バンドでもある。1970年に結成され、バンド初期はバロックやクラシック音楽を思わせるメロディーを持つ幻想的でドラマチックなシンフォニック・ロックで人気を集めた。
1960年代中頃にフラヴィオ・プレーモリ(キーボード、ヴォーカル)、フランツ・ディ・チョッチョ(ドラム、ヴォーカル)、ジョルジオ・ピアッツァ(ベース)、フランコ・ムッシーダ(ギター、ヴォーカル)というラインアップで、アメリカやイギリスのヒット・ポップス曲をカバーして人気を集めたイ・クエッリ1968年にアルバムをリリースした。その後マウロ・パガーニ(ヴァイオリン、フルート、ヴォーカル)と出会い、バンド名をプレミアータ・フォルネリア・マルコーニ(略称PFM)と変えた彼らはオリジナル曲を中心としたライヴ演奏を行うようになり、1972年に『Storia Di Un Minuto〈幻想物語〉』、また同年に『Per Un Amico〈友よ〉』をリリースし、注目を集めていた。そして1972年にELPがボローニャでライヴ公演を行った際に彼らのマネージャーがカセット・テープを渡したことからグレッグ・レイクの目に留まり、当時設立したばかりのELPのマンティコア・レコードより、ピート・シンフィールドによる英語版の歌詞を起用した『Photos Of Ghosts〈幻の映像〉』で世界デビューを果たすこととなり、日本でも強い支持を獲得するに至った。
1977年以降、バンドは幾度かのメンバー・チェンジを行いながらも地中海音楽的要素を強めてゆくが、1987年に活動を停止する。その後1997年に活動を再開、以後アルバムをコンスタントにリリースしながら積極的なライヴ活動を展開している。2014年にリリースしたオーケストラとの共演作『PFM In Classic - Da Mozart A Celebration〈イン・クラシック~モーツアルトからの祭典〉』は各方面から高い評価を得てセールス的にも成功を収める。その後初期の3作、『Storia Di Un Minuto〈幻想物語〉』、『Per Un Amico〈友よ〉』、『L'isola Di Niente〈甦る世界〉』を完全再現したライヴ公演を行って好評を博した。IACではこの公演を完全収録した『Il Suono Del Tempo〈時の響園~ライヴ・イン・ジャパン2014〉』をボックス・セットとしてリリース。オリジナル・ギタリストのフランコ・ムシーダが現役を引退し、現在はオリジナル・ドラマーのフランツ・ディ・チョッチョと2代目ベーシストのパトリック・ジヴァスを中心に活動している。2022年には彼らの50年を超える活動を辿るツアー〈1972-2022:“1分の物語”から“私は電気羊の夢を見た”、そして“ファブリツィオ・デ・アンドレの詩を抱きしめて”〉を実施。IACではそのハイライトとなる公演を収めた『美の事象 - ライヴ・イン・ルガーノ・エスティヴァル・ジャズ2022』を2023年にIACのJune Dreamからリリースした。